翌シーズンの出場権を持たない選手が、前半戦の出場優先順位をかけて争う試合がQualifying TournamentつまりQTです。プロゴルファーにとって試合に出られるかどうかは死活問題。それだけに来季の職場をかけた戦いは熾烈を極めます。
例年翌シーズンの出場権はメルセデスランキング50位までのシード選手50名に与えられ、前半戦に限ればメルセデスランキング51~55位までの5名とステップ・アップ・ツアー賞金ランキング1位と2位の2名、合計7名に付与されます。
したがって、QT1位の選手は優先出場順位は58番目になるわけですが、ここに永久シードの不動裕理や前試合の上位3位までの選手が入ってきたり、シード選手の欠場者が出たりで若干前後します。前半戦の優先順位で決まる出場者数は90名の大会が多く、90-57=33位に入ればほぼ試合に出られる計算です。
受験資格を限定狭き門に変更
JLPGAでは、2019年~2021年と段階的にQT規約を変更。これにより、QTへの参加資格が、2018年までの「原則としてQT開催年度4月1日時点で満18歳以上の女子(出生時)」から、2021年は「ティーチングプロフェッショナル会員を含むJLPGA会員」と「当該年度JLPGA最終プロテスト合格者」になり、QTのステージも2018年までの4ステージから、2ステージに変更されました。
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2024年QT実施概要は?
2024年も1STステージ72ホールとFinalステージ72ホールで行われます。11月19日から開催される、2週間144ホールの激戦です。
1STステージ
1STステージは11月19日(火)~22日(金)の4日間72ホールのストロークプレーで、ABCの3地区一斉に行われます。出場資格は、JLPGA会員とJLPGAツアーの競技優勝1回以上または7月に開催された「JLPGAティーチングプロ競技会」上位15名のティーチングプロフェッショナル会員と2024年度JLPGA最終プロテスト合格者。
1STステージを突破すればFinalステージへと進めるのですが、Finalステージの定員が基本96名と決まっているため、1STステージの合格者はFinalステージへの出場権を持っている選手数によって変わってきます。
2023年実績では、3会場合わせて273名が参加して進出者は67名でした。各会場の合格数は会場毎の受験者数によって割り振られ、それぞれの会場で発表されます。2024年の1STステージは以下の3会場が予定されています。
A地区 福島県「五浦庭園カントリークラブ」
B地区 静岡県「裾野カンツリー倶楽部」
C地区 兵庫県「小野東洋ゴルフ倶楽部」
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Finalステージ
Finalステージは11月26~29日の日程で、静岡県「葛城ゴルフ倶楽部 宇刈C」を舞台に72ホールストロークプレーで行われます。参加者は1STステージからの進出者の他に、以下のカテゴリーに属した選手がFinalステージから出場が可能です。
・2024年度のシード保有者で、シード権を失った選手。
・2024年度「大王製紙エリエールレディスオープン」終了時点のメルセデスランキング56~70位の選手。(51~55位は来季前半戦の出場権が与えられます。)
・2024年度トーナメント特別保障制度適用者で、翌年度のシード権を獲得できなかった選手。
・2024年度ステップ・アップ・ツアーの優勝者。
・2024年度ステップ・アップ・ツアー賞金ランキング3~10位の選手。(1位と2位には来季前半戦の出場権が与えられます。)
・2024年度JLPGA最終プロテスト第1位。
Finalステージの成績に従って来季QTランキングが作成され、来季前半戦の出場優先順位が決まります。順位にはタイはなく、同スコアの場合はカウントバックにより順位が決定します。こうして決まった出場優先順位は来季リランキングまでの前半戦のみ有効で、リランキングで順位の入れ替えが行われます。
リランキングに関してはこちらで詳しく説明しています。
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