夏場のゴルフは涼しい北海道が快適。ということで、2024年シーズンも・7月4~7日の「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」・8月2~4日開催の「北海道 meiji カップ」・8月22~25日開催の「ニトリレディスゴルフトーナメント」の計3試合が予定されています。
そんな環境下では私もプロになりたいと思う子が出てくるのは当然の成り行き。北海道が女子プロゴルファーを多数輩出しているのもうなずけます。現役にもレジェンドにもビッグネームが多数。そんな北海道の女子プロゴルファーを、現役とレジェンドに分けて紹介します。
現役女子プロゴルファー
シード選手からQTランカーを含めると、若手ベテラン合わせて15名が現役プレーヤーとして活躍中です。
阿部 未悠が初優勝!小祝さくらは通算10勝目!!
2024年シーズン序盤。3月28日~3月31日の日程で開催された「ヤマハレディースオープン葛城」で小祝さくらが今季初優勝で通算10勝目。4月5日~4月7日開催の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」では阿部 未悠が初優勝を飾り2週連続北海道勢の優勝となりました。
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北海道の顔ともいえる小祝さくら&菊地絵理香
黄金世代の小祝さくらと、そろそろベテランの域に入ってきた菊地絵理香が圧倒的な成績を残しています。北海道の顔といってもいいでしょう。
小祝さくら
ジュニアの頃から才能が開花
小祝さくらは1998年4月生まれ、北広島市出身の黄金世代を代表する選手です。8歳から始めたゴルフは2010年小学校6年生時の「北海道高等学校ゴルフ春季大会小学生大会」の優勝を皮切りに、北海道内の大会を次々と制覇。同学年では北海道に敵なし状態でした。
高校生になると「北海道女子アマチュアゴルフ選手権」に優勝して「日本アマチュアゴルフ選手権」でベスト32に入るなど全国大会にも顔を出すようになりますが、成績は残せませんでした。
プロテストは1発合格
2017年のプロテストを受験して、4人が並ぶ19位タイでしたが一発で合格を果たします。その年のQTも9位で通過して2018年シーズン前半戦の出場権を獲得と、とんとん拍子でルーキーイヤー開幕を迎えました。
その2018年シーズンは開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」で予選落ちを喫すると予選落ち、48位タイ、予選落ちと苦しいスタートから、第5戦の「ヤマハレディースオープン葛城」で5位タイと初めてのトップテン入りで一息つきます。
ルーキーイヤーでシード権獲得
以降は徐々に成績も上がり、ファーストリランキングは7位で通過。中盤戦以降の成績も安定して、セカンドリランキングはトップ通過を果たして全38試合に出場します。優勝こそありませんでしたが、トップテン入りは13試合、そのうち2位が4回もあり賞金ランキングは8位とルーキーイヤーでシード権を獲得しました。
初優勝は2年目の2019年
シード選手として臨んだ2019年シーズンは、開幕戦から13試合連続で予選通過と安定したゴルフを展開します。そして臨んだツアー第20戦「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」では、最終日を首位と2打差の2位でスタートすると、攻撃的なゴルフで7アンダー65で逆転優勝を飾りました。
以降2020-21年シーズンで5勝を挙げて賞金ランキング3位、2022年シーズンでも2勝を挙げてトッププロの座を不動にしています。
2023年北海道の大会で初優勝
2023年シーズンは7月に地元北海道で開催された「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」でシーズン初優勝。通算9勝目を地元北海道での初優勝で飾り最終成績はメルセデスランキングは4位、賞金ランキングも4位でした。
パリオリンピックの代表は?
2024年2月1週での世界ランキングは65位で日本選手9番手。今後の活躍如何ですが、2024年パリオリンピック代表選手の可能性を残しています。
菊地絵理香
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全国高等学校ゴルフ選手権団体3連覇
北海道は苫小牧市出身の菊地絵理香。1988年7月生まれのベテラン選手です。高校時代は東北高校で「全国高等学校ゴルフ選手権」団体3連覇を達成、高校3年時には個人優勝を飾っています。1学年上には有村智恵と原江里菜が、1学年下には木戸愛や森桜子がいました。
プロテストは2回目で合格
プロテスト合格は2回目の受験となった2008年。1回目のプロテストで不合格になり、当時の単年登録制度を利用して、ツアーに参戦しながらの受験でした。大学に進学した原江里菜、1発合格の木戸愛や森桜子と同期の80期生です。
2009年はQTランキング147位、10試合の出場で賞金ランキング68位、2010年はQTランキング45位で27試合に出場も賞金は伸びず62位、2011年はQTランキング56位で22試合で68位と、賞金ランキングは60位台から抜け出せずにいました。
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4年目のシーズンで初シード獲得
QTランキング18位で臨んだ2012年シーズンは34試合に出場。初戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」を4位と上々のスタートを切ると安定した成績でシーズンを乗り切り賞金ランキング43位でシード権を獲得しました。2013年からはシード選手として2023年シーズンまで一度もシード権は失っていません。
2008年75.4だった平均ストロークは、2010年74.6232で66位、初シード獲得の2012年は72.4976で34位まで上昇。初シード選手として臨んだ2013年には71.8952と72を切って25位にランキングされました。
2015年賞金女王イ・ボミを抑えて初優勝
2013年の「日本女子オープン」、2014年の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」、「富士通レディース」など何度か優勝争いに顔を出しましたが、プレーオフ止まり。念願の初優勝は2015年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でした。この試合は初日2位に1打差の4アンダーで抜け出すと、2日目2位に2打差の6アンダー、最終日は9アンダーとして2位に5打差をつけての完全優勝でした。2位にはイ・ボミと若林舞衣子が入っていますが、この年イ・ボミは約2億3千万で賞金女王になっています。
以降2022年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」の優勝と合わせて2023年7月3週までに計5回の優勝を挙げていますが、まだメジャーの勝利はありません。2013年に2位タイと惜敗した「日本女子オープン」では2015年に再び優勝のチャンスが巡ってきます。
日本女子オープンでの死闘
2015年の「日本女子オープン」は10月1~4日の日程で石川県の片山津ゴルフ倶楽部 白山コースで開催されました。最終的にアンダーパーは3名のみになった難しい設定。初日パープレー、2日目を1オーバーで13位タイとした菊地絵理香は3日目5アンダーで回りトータル4アンダーとして2位に1打差ながら単独トップに躍り出ました。
そして迎えた最終日は8番と12番でボギーを打つ苦しい展開から、16番で起死回生のバーディを奪い3アンダーとして単独トップに立ち臨んだ18番ホール。パーで優勝でしたが、約4m残ったパーパットを打ち切れずにボギー。2アンダーで上がっていた李美香とチョンインジの韓国勢に並ばれてしまいました。
プレーオフは3ホール目で李美香が脱落、菊地絵理香は4ホール目まで粘るも脱落。メジャー制覇はできませんでした。
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2023年度プロテスト合格者 政田 夢乃(まさだ ゆめの)
2022年度プロテストの合格者はありませんでしたが2023年度は政田夢乃が合格を果たしました。
政田夢乃(まさだ ゆめの)
2000年7月生まれ北海道札幌市出身。古江彩佳や西村優菜などと同学年です。2017年の全国高等学校ゴルフ選手権を高校2年生で優勝して将来を嘱望されましたが、プロテストにはなかなか合格せず、最終プロテスト3回目の挑戦で合格を果たしました。
2024年シーズンはQTランキング147位からの参戦。ステップ・アップ・ツアーを主戦場にレギュラーツアーを目指します。
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期待の若手 2020/2021年度プロテストには計5名が合格
2021年はコロナ禍により延期になった2020年度プロテストと2021年度プロテストが行われました。この2度のプロテストには北海道出身者が多数合格しています。
内田ことこ
2002年生まれ北海道南幌町出身。本名は内田琴子なのですが会員に同姓同名がいたため、登録名を内田ことこに変更しました。QTランキング26位で臨んだ2022年は33試合に出場するもメルセデスランキングは62位で終了。
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2023年シード権獲得
2023年シーズンはQTランキング27位からリランキングを21位で通過して、地元の4日間大会「ニトリレディスゴルフトーナメント」では4位と健闘してメルセデスランキング33位に上昇。その後予選落ちが続いた時期がありましたが、最終的に45位で踏みとどまって見事シード権を獲得しました。
阿部未悠
2000年生まれ北海道恵庭市出身。QTランキング23位で出場した2022年シーズンは35試合に出場。トップ10にも5回入る活躍でメルセデスランキング44位に入り、ルーキーながらシード権を獲得しました。2023年は「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」終了時点でメルセデスランキング24位と好調を維持。平均ストロークも2022年の71.9910 (43位)から2023年は71.3934(16位)に改善して先ずは優勝が欲しいところ。
山田 彩歩
1998年生まれの黄金世代です。2022年シーズンはQTランキング116位でレギュラーツアー7試合に出場して6試合で予選落ち。2023年はQTランキング59位で2試合に出場しましたが、どとちらも予選落ち結果は残せていません。先ずは、ステップ・アップ・ツアーで結果を出して欲しいですね。
2024年シーズンはQTランキング130位からの参戦になります。
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成澤祐美
1997年生まれ札幌市出身。高等学校は岡山県作陽高等学校に進学、ゴルフ部では渋野日向子の1学年先輩です。2021年6回目のプロテストに合格しました。
2022年シーズンはQTランキング124位からのスタートとなり、リランキング前の出場は2試合でしたがいずれも決勝に進出。1stリランキングは56位で通過して出場人数が多くなる中盤戦8試合に出場しました。しかし48位に上昇した2ndリランキング以降は出場者枠の減少で出場試合が激減。結局全12試合の出場でメルセデスランキングは103位で終わりました。
2023年シーズンにはQTランキング112位で参戦。ステップ・アップ・ツアーを主戦場に、22試合に出場、優勝争いに絡む試合もありましたが2度の3位が最高位、賞金ランキング13位に終わりました。
2024年シーズンはQTランキング70位での参戦です。
宮澤 美咲
2002年9月生まれ千歳市出身。2回目となった2021年のプロテスを20位タイのぎりぎりで通過しました。その年のQTは120位と振るわず、2022年シーズンはステップ・アップ・ツアーが主戦場でした。
レギュラーツアーには2試合の出場でどちらも予選落ちに終わりましたが、ステップ・アップ・ツアーでは16試合に出場。予選落ちが1試合あるもののトップテンには7回入り、ロレックスランキングフラッグシップイベントで高額賞金の「Sky レディースABC杯」で優勝に輝く活躍を見せ賞金ランキング2位に入り、2023年シーズン前半戦の出場権を獲得しました。
2023年シーズンはリランキングを25位で通過。メルセデスランキング50位とシード圏内で臨んだ最終の2戦をいずれも予選落ちに終わり、最終順位は52位でシード獲得はなりませんでした。2024年は前半戦出場権の資格で参戦します。
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中堅現役選手
ゴルフ漫画「大地の子 みやり」のモデル本多弥麗や藤田光里
ゴルフ漫画「大地の子 みやり」のモデル本多弥麗や美人プロとして人気の高い藤田光里、菊池3姉妹の菊地明砂美など有名選手が多数います。
名前 | 生年月 | 出身地 | プロ合格 | 2024年出場資格 | 勝利 | 生涯獲得金額 |
齊藤美香 | 1979.10 | 札幌市 | 2002年 | QT250位 | 未勝利 | ¥6,661,100 |
酒井千絵 | 1977.9 | 北広島市 | 2007年 | QT144位 | R1勝 | ¥17,549,713 |
本多弥麗 | 1984.7 | 札幌市 | 2007年 | QT160位 | 未勝利 | ¥6,838,000 |
橋本 香菜 | 1983.5 | 札幌市 | 2008年 | QT285位 | 未勝利 | ¥892,000 |
菊地明砂美 | 1985.11 | 苫小牧市 | 2010年 | QT189位 | 未勝利 | ¥8,765,532 |
藤田光里 | 1994.9 | 札幌市 | 2013年 | QT66位 | JLPGA1勝S1勝 | ¥112,357,695 |
山戸未夢 | 1995.6 | 札幌市 | 2014年 | – | S1勝 | ¥7,469,700 |
田村亜矢 | 1997.4 | 栗山町 | 2017年 | QT283位 | 未勝利 | ¥6,509,000 |
吉本 ここね | 2000.1 | 札幌市 | 2018年 | QT31位 | S1勝 | ¥28,600,372 |
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レジェンド
吉川なよ子 プロゴルフ殿堂に顕彰
JLPGAツアー29勝とあと1つ勝てば永久シード選手の仲間入りが果たせたレジェンド中のレジェンドです。1972年にプロテスト合格、1973年入会の10期生。1973年に賞金ランキング43位からスタートすると徐々に順位を上げ1976年に7位でトップテン入りを果たしました。
以降1988年までの13年間連続でトップテン入りを続け、1988年は賞金女王に輝いています。以降も第一線で活躍、2004年を最後にレギュラーツアーからは引退しました。生涯獲得金額は¥683,002,344を誇る北海道屈指のレジェンドです。2017年度日本プロゴルフ殿堂に顕彰されました。
谷 福美
1981年プロテスト合格の40期生です。1986年の賞金ランキング41位とそれほど目立つ選手ではなかったのですが、1987年シーズンにはいきなり3勝を挙げて賞金ランキング4位に躍り出ます。以降1988年に2勝で7位、89年に3勝で3位、90年にも3勝で4位と賞金女王も期待された成績でした。
しかし、突然の不調が訪れます。1991年からは勝てなくなったばかりか予選落ちも増えて賞金ランキングは31位に下降、翌92年は98位でした。活躍した4年間は1988年に「日本女子オープン」1989年には「日本女子プロゴルフ選手権」に優勝を飾り強烈な印象を残しました。
生涯獲得金額は¥236,376,643。妹の谷明美、谷里美もプロになっており谷三姉妹として有名です。
大場美智恵&中田美枝
1994年プロテスト合格で66期生の大場美智恵がJLPGAツアー通算4勝で生涯獲得金額は¥386,147,946。
2000年プロテスト合格の72期生中田美枝がJLPGAツアー2勝で生涯獲得金額¥240,825,946を稼いでいます。
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