ゴルフは自分でボールを選ぶことができる数少ない球技です。どうせ選ぶなら少しでもスコアに貢献してくれるボールを選びたいですね。ところがゴルフボールは製造メーカーも多く、種類も膨大。選択肢が多くて良い反面、いざ自分に合ったボールを選ぶとなると迷ってしまいます。
そこで、ボール選びに迷っている初心者やアベレージゴルファーの皆様に2ピースボールをおススメします。なぜ2ピースボールがおススメなのか、選ぶにあたっての気を付けたいポイントについても説明しています。ベストチョイスでスコアアップに結び付けてください。
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なぜ2ピースボールは安くて飛ぶのか
なぜ2ピースボールは安くて飛ぶのか気になりますね。その答えは、ボールが飛ぶ原理にあるのですが、一つ一つ見ていきましょう。
現在のゴルフボールを知っておこう
ゴルフボールの歴史を見てみると動物の革や鳥の羽毛で作られていた時代があり、やがて人工的な固形ゴムに進化します。ゴムのボールは単体の1ピースボールから、糸状のゴムで固形ゴムを巻いてカバーを被せた糸巻きボールの時代を経て、現在ではゴム製のコアに合成樹脂のカバーを被せて作るソリッド構造のボールになりました。
ソリッド構造とは?
ソリッド構造とは、中が詰まった固体という意味。ソリッド構造のゴルフボールは、ゴム製のコアを合成樹脂のカバーで包んだ構造が基本です。カバーが1層なら、コアとカバーの2ピースボール。カバーが2層なら3ピースボール、3層や4層なら4ピースボール、5ピースボールと名称が変わります。
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ゴルフボール飛びの原理
2ピースボールでも多層の3ピースや4ピース、5ピースボールでも飛びの原理は同じです。ドライバーでインパクトされたボールは、ゴム製のコアがつぶれ、つぶれたコアは元の球形に復元します。この復元力と合成樹脂でできたカバーの反発力とが、ボールを飛ばす原動力になるのです。
コアをつぶす
ゴルフボールのコアはインパクト時、適度につぶれなければ復元力としてのエネルギーは得られません。つぶれ方が小さいと復元力が小さく、つぶれ過ぎると復元に時間がかかりエネルギーのロスに繋がります。
では、適度につぶれるコアのボールはどうすれば選べるのか?インパクト時のボールにかかる圧力の大きさは、ヘッドスピードによって違ってきます。ボールメーカーが適合ヘッドスピード表記するのはこのためです。
カバーで反発
柔らかいコアが潰れた後の復元力はボールが飛ぶ原動力ですが、柔らかいだけのボールでは大きな飛びは期待できません。ボールに大きな飛びのエネルギーを与えるために、柔らかいコアを反発力のある硬いカバーで覆います。
インパクトで圧縮されたコアの復元力と、コアに被せたカバーの反発力の相乗効果でゴルフボールは、飛ぶのです。従って、コアには圧縮されやすいゴムが使われ、カバーには反発力の高い合成樹脂が使われます。
2層で飛ぶボールが完成
以上のように飛ぶボールは適度に柔らかいコアを反発力のあるカバーで包めば出来上がります。そこに、ボールのカバーに小さいくぼみ、つまりディンプルを付ければよく飛ぶボールの完成です。ディンプルには英語でえくぼの意味がありますが、このくぼみで空気に作用して推進力や浮力を制御します。
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2ピースボールと3ピースボール違い
それではなぜ2ピースや3ピースボールのように層を違えるのでしょうか?それは、ゴルファーのレベルによってボールに求める性能が違ってくるからです。ピースによるボールの違いを見ておきましょう。
2ピースボールも3ピースボールもコアをカバーで包んでいますが、1層と2層のカバーの特性を変えることで2ピースボールにない性能を3ピースボールに持たしています。
2ピースボールとディスタンス系ボール
柔らかいコアを反発力の強いカバーで覆って、ディンプルを付けたボールが2ピースボールです。それぞれのヘッドスピードに対応できるよう、コアに使うゴム材やカバーに使う合成樹脂の硬さに違いはありますが、飛びを追求するなら2ピースボールで十分。カバーの合成樹脂には反発力の強いアイオノマーが使われます。
飛びに特化したディスタンス系ボールのほとんどは2ピース構造でできています。構造がシンプルなため材料費や工程費用も安価に抑えることが可能。そのためリーズナブルな価格で販売されています。
但し、アイオノマーカバーは反発力に優れますが、硬い分スピン性能には劣ります。スピン性能を発揮するには、柔らかいカバーが必須だからです。
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3ピースボール スピン系
ボールをコントロールしたい上級者やプロは、スピン性能を重視します。そこで硬いカバーの外側を柔らかいカバーで覆って、スピン性能を持たせたボールが3ピースボールです。カバーには、柔らかくてスピン性能に優れたウレタンがよく使われます。
ただ、スピン性能に優れたボールは意図しないスピンも掛かりやすいということです。ディスタンス系ボールならそれほど曲がらないミスショットでも、スピン性能がいいボールだと大きく曲がる可能性もあります。
4&5ピースボール スピン系+フィーリング
硬い材質や柔らかい材質、反発力や打感を考慮して層を増やしたボールが4ピースや5ピースボールです。飛びとスピン性能を両立したボールが多いのも特徴ですが、材料や製造工程も複雑で価格が高いのも特徴です。
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自分に合ったボールの選び方
2ピースボールだけに限っても、各メーカーから多数のボールが販売されています。初心者やアベレージゴルファーはどのようにボールを選べばいいのでしょう。先ずは自分のヘッドスピードでしっかりつぶせるかどうかがポイントです。
適正ヘッドスピード
適正ヘッドスピードは、ドライバーショットで測定しm/秒で表しますが、体格や筋力の差によってかなりの違いがあります。
1種類のコアで全てのヘッドスピードには対応できないため、ボールメーカーでは数種類のコアで対応、ホームページやボールのケースに適正ヘッドスピードが表示されています。
但し、それほど神経質になる必要はありません。適正ヘッドスピードの表示は、メーカーによっても違ってきますが、おおむね10m/s位の幅を持たせてあります。
ダンロップのボールを例にとると、
モデル名 | 適合ヘッドスピード | 対応ゴルファー |
スリクソン SOFT FEEL LADY | 30~40m/s | 女性や非力な男性~平均的な男性まで対応 |
DDH ツアースペシャル SF | 35~42m/s | 飛ぶ女性~平均的な男性まで対応 |
DDH ツアースペシャル | 42~50m/s | 平均的な男性~ハードヒッターに対応 |
自分のヘッドスピードを把握する
自分のヘッドスピードを知る方法は、練習場やゴルフショップで測定してもらうか、スマートフォンのアプリで測定するのが一般的です。なかなか測定する機会が無い人は、自分の推定飛距離を5で割ると、大まかなヘッドスピードが得られます。
大まかな数値でもボールの方で幅を持っているので、これで十分ですよ。
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メーカー別おススメの2ピースボール
メーカー | 品名 | 適合ヘッドスピード | 公式販売店価格 | コメント |
キャスコ | DNA | 全領域 | 2,200円 | ソフト打感 |
キャロウェイ | WARBIRD | – | 2,640円 | スピン向上 |
タイトリスト | HVC SOFT DISTANCE | – | – | 強弾道 |
ダンロップ | DDH ツアースペシャル | 35~40m/s | 1,628円 | 大小4種432ディンプル |
ダンロップ | DDH ツアースペシャルSF | 40~50m/s | 2,029円(15個) | ソフトな打球感 |
ダンロップ | スリクソン SOFT FEEL LADY | 30~40m/s | 2,552円 | 女性向け専用設計 |
テーラーメイド | ディスタンス+ ソフト | – | 1,980円 | 高弾道・ソフトな打感 |
ブリヂストン | EXTRA DISTANCE | 30~48m/s | 2,035円 | 直進性 |
ホンマ | D1 2022年モデル | 全領域 | 2,640円 | 環境負荷低減 |
ミズノ | NEW D201 | 35m/s | 1,980円 | ソフト |
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また、スピン性能の優れたボールは曲がりやすいボールとも言えます。なるべく曲がりを抑えて遠くまで飛ばしたいなら、価格面でもリーズナブルな2ピース構造のディスタンス系ボールがベストチョイスではないでしょうか。