夏場のゴルフは涼しい北海道が快適。ということで、2025年シーズンも・7月10~13日の「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」・8月8~10日開催の「北海道 meiji カップ」・8月28~31日開催の「ニトリレディスゴルフトーナメント」の計3試合が予定されています。
そんな環境下では私もプロになりたいと思う子が出てくるのは当然の成り行き。北海道が女子プロゴルファーを多数輩出しているのもうなずけます。現役にもレジェンドにもビッグネームが多数。そんな北海道の女子プロゴルファーを、現役とレジェンドに分けて紹介。
現役女子プロゴルファー
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北海道の顔ともいえる小祝さくら&菊地絵理香
黄金世代の小祝さくらと、そろそろベテランの域に入ってきた菊地絵理香が圧倒的な成績を残しています。北海道の顔といってもいいでしょう。
小祝さくら
ジュニアの頃から才能が開花
小祝さくらは1998年4月生まれ北広島市出身。黄金世代を代表する選手です。8歳から始めたゴルフは2010年小学校6年生時の「北海道高等学校ゴルフ春季大会小学生大会」の優勝を皮切りに、北海道内の大会を次々と制覇。同学年では北海道に敵なし状態でした。
2017年のプロテストを受験して、4人が並ぶ19位タイでしたが一発で合格を果たします。その年のQTも9位で通過して2018年シーズン前半戦の出場権を獲得と、とんとん拍子でルーキーイヤー開幕を迎えました。
ルーキーイヤーでシード権獲得
その2018年シーズンは開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」で予選落ちを喫すると予選落ち、48位タイ、予選落ちと苦しいスタートから、第5戦の「ヤマハレディースオープン葛城」で5位タイと初めてのトップテン入りで一息つきます。
以降は徐々に成績も上がり、ファーストリランキングは7位で通過。中盤戦以降の成績も安定して、セカンドリランキングはトップ通過を果たして全38試合に出場します。優勝こそありませんでしたが、トップテン入りは13試合、そのうち2位が4回もあり賞金ランキングは8位とルーキーイヤーでシード権を獲得しました。
初優勝は2年目の2019年
シード選手として臨んだ2019年シーズンは、開幕戦から13試合連続で予選通過と安定したゴルフを展開します。そして臨んだツアー第20戦「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」では、最終日を首位と2打差の2位でスタートすると、攻撃的なゴルフで7アンダー65で逆転優勝を飾りました。
以降2020-21年シーズンで5勝を挙げて賞金ランキング3位、2022年シーズンでも2勝を挙げてトッププロの座を不動にしています。
2023年シーズンは7月に地元北海道で開催された「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」で地元北海道での初優勝で9勝目を飾ると、2024年にも2勝を挙げて通算11勝で2025年シーズンに臨みます。
菊地絵理香
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全国高等学校ゴルフ選手権団体3連覇
北海道は苫小牧市出身の菊地絵理香。1988年7月生まれのベテラン選手です。高校時代は東北高校で「全国高等学校ゴルフ選手権」団体3連覇を達成、高校3年時には個人優勝を飾っています。1学年上には有村智恵と原江里菜が、1学年下には木戸愛や森桜子がいました。
プロテストは2回目で合格
プロテスト合格は2回目の受験となった2008年。1回目のプロテストで不合格になり、当時の単年登録制度を利用して、ツアーに参戦しながらの受験でした。大学に進学した原江里菜、1発合格の木戸愛や森桜子と同期の80期生です。
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4年目のシーズンで初シード獲得
QTランキング18位で臨んだ2012年シーズンは34試合に出場。初戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」を4位と上々のスタートを切ると安定した成績でシーズンを乗り切り賞金ランキング43位でシード権を獲得しました。2013年からはシード選手として2025年シーズンまで一度もシード権は失っていません。
2013年の「日本女子オープン」、2014年の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」、「富士通レディース」など何度か優勝争いに顔を出しましたが、プレーオフ止まり。念願の初優勝は2015年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でした。
以降2022年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」の優勝と合わせて2023年7月3週までに計5回の優勝を挙げていますが、まだメジャーの勝利はありません。
日本女子オープンでの死闘
2015年の「日本女子オープン」は10月1~4日の日程で石川県の片山津ゴルフ倶楽部 白山コースで開催されました。最終的にアンダーパーは3名のみになった難しい設定。初日パープレー、2日目を1オーバーで13位タイとした菊地絵理香は3日目5アンダーで回りトータル4アンダーとして2位に1打差ながら単独トップに躍り出ました。
そして迎えた最終日は8番と12番でボギーを打つ苦しい展開から、16番で起死回生のバーディを奪い3アンダーとして単独トップに立ち臨んだ18番ホール。パーで優勝でしたが、約4m残ったパーパットを打ち切れずにボギー。2アンダーで上がっていた李美香とチョンインジの韓国勢に並ばれてしまいました。
プレーオフは3ホール目で李美香が脱落、菊地絵理香は4ホール目まで粘るも脱落。メジャー制覇はできませんでした。
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2025年は初優勝に期待 政田 夢乃(まさだ ゆめの)
2024年はルーキー政田夢乃が大きく羽ばたきました。2025年シーズンは初優勝の期待がかかります。
政田夢乃(まさだ ゆめの)
2000年7月生まれ北海道札幌市出身。古江彩佳や西村優菜などと同学年です。2017年の全国高等学校ゴルフ選手権を高校2年生で優勝して将来を嘱望されましたが、プロテストにはなかなか合格せず、最終プロテスト3回目の挑戦で合格を果たしました。
2024年シーズンはQTランキング147位からの参戦。5月の「リゾートトラスト レディス」に出場すると8位タイと健闘。1stリランキングを30位で乗り切り2ndリランキングは14位と成績を上げてメルセデスランキングは57位でした。
2025年シーズンはQTランキング9位からの参戦で、初優勝を狙います。
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期待の若手 2020/2021年度プロテストには計5名が合格
2024年度プロテストの合格者は有りませんでした。しかし2023年には政田夢乃が、コロナ禍の影響で2021年実施された2020年度プロテストと2021年度プロテストには北海道出身者が5名合格しています。
前半戦出場資格 内田ことこ
2002年生まれ北海道南幌町出身。本名は内田琴子なのですが会員に同姓同名がいたため、登録名を内田ことこに変更しました。QTランキング26位で臨んだ2022年は33試合に出場するもメルセデスランキングは62位で終了。
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2023年シード権獲得
2023年シーズンはQTランキング27位からリランキングを21位で通過して、メルセデスランキング33位に上昇。最終的に45位で踏みとどまって見事シード権を獲得しました。2024年メルセデスランキング52位で2025年シーズン前半戦出場資格での参戦です。
2024年初優勝 阿部未悠
2000年生まれ北海道恵庭市出身。QTランキング23位で出場した2022年シーズンは35試合に出場。トップ10にも5回入る活躍でメルセデスランキング44位に入り、ルーキーながらシード権を獲得しました。2023年もメルセデスランキング37位でシード権を堅持。
2024年4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」で待望の初優勝を手にしました。
山田 彩歩
1998年生まれの黄金世代です。2022年シーズンはQTランキング116位でレギュラーツアー7試合に出場して6試合で予選落ち。2023年はQTランキング59位で2試合に出場しましたが、どとちらも予選落ち結果は残せていません。先ずは、ステップ・アップ・ツアーで結果を出して欲しいですね。
2025年シーズンはQTランキング148位での参戦です。
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成澤祐美
1997年生まれ札幌市出身。高等学校は岡山県作陽高等学校に進学、ゴルフ部では渋野日向子の1学年先輩です。2021年6回目のプロテストに合格しました。
2022年シーズンはQTランキング124位からのスタートとなり、メルセデスランキングは103位。2023年シーズンにはQTランキング112位、2024年シーズンはQTランキング70位で参戦。ステップ・アップ・ツアーを主戦場に、賞金ランキング13位と23位でした。
2025年シーズンはQTランキング100位での参戦です。
宮澤 美咲
2002年9月生まれ千歳市出身。2回目となった2021年のプロテスを20位タイのぎりぎりで通過しました。その年のQTは120位と振るわず、2022年シーズンはステップ・アップ・ツアーが主戦場でした。
レギュラーツアーには2試合の出場でどちらも予選落ちに終わりましたが、ステップ・アップ・ツアーでは16試合に出場。予選落ちが1試合あるもののトップテンには7回入り、ロレックスランキングフラッグシップイベントで高額賞金の「Sky レディースABC杯」で優勝に輝く活躍を見せ賞金ランキング2位に入り、2023年シーズン前半戦の出場権を獲得しました。
2023年シーズンはリランキングを25位で通過。メルセデスランキング50位とシード圏内で臨んだ最終の2戦をいずれも予選落ちに終わり、最終順位は52位でシード獲得はなりませんでした。2025年シーズンはQTランキング71位での参戦です。
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中堅現役選手
ゴルフ漫画「大地の子 みやり」のモデル本多弥麗や吉本 ここね
ゴルフ漫画「大地の子 みやり」のモデル本多弥麗や、期待の吉本 ここね、菊池3姉妹の菊地明砂美など有名選手が多数います。
名前 | 生年月 | 出身地 | プロ合格 | 出場資格 2025年 | 勝利 | 生涯獲得金額 |
吉本 ここね | 2000.1 | 札幌市 | 2018年 | QT8位 | S1 | ¥33,330,372 |
菊地明砂美 | 1985.11 | 苫小牧市 | 2010年 | QT211位 | – | ¥8,765,532 |
橋本 香菜 | 1983.5 | 札幌市 | 2008年 | QT275位 | – | ¥892,000 |
酒井千絵 | 1977.9 | 北広島市 | 2007年 | QT80位 | – | ¥17,549,713 |
本多弥麗 | 1984.7 | 札幌市 | 2007年 | QT227位 | – | ¥6,838,000 |
齊藤美香 | 1979.1 | 札幌市 | 2002年 | QT232位 | – | ¥6,661,100 |
2025年1月20日時点 賞金はレギュラーツアーのみ 勝利 S=ステップ |
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レジェンド
吉川なよ子 プロゴルフ殿堂に顕彰
JLPGAツアー29勝とあと1つ勝てば永久シード選手の仲間入りが果たせたレジェンド中のレジェンドです。1972年にプロテスト合格、1973年入会の10期生。1973年に賞金ランキング43位からスタートすると徐々に順位を上げ1976年に7位でトップテン入りを果たしました。
以降1988年までの13年間連続でトップテン入りを続け、1988年は賞金女王に輝いています。以降も第一線で活躍、2004年を最後にレギュラーツアーからは引退しました。生涯獲得金額は¥683,002,344を誇る北海道屈指のレジェンドです。2017年度日本プロゴルフ殿堂に顕彰されました。
谷 福美
1981年プロテスト合格の40期生です。1986年の賞金ランキング41位とそれほど目立つ選手ではなかったのですが、1987年シーズンにはいきなり3勝を挙げて賞金ランキング4位に躍り出ます。以降1988年に2勝で7位、89年に3勝で3位、90年にも3勝で4位と賞金女王も期待された成績でした。
しかし、突然の不調が訪れます。1991年からは勝てなくなったばかりか予選落ちも増えて賞金ランキングは31位に下降、翌92年は98位でした。活躍した4年間は1988年に「日本女子オープン」1989年には「日本女子プロゴルフ選手権」に優勝を飾り強烈な印象を残しました。
生涯獲得金額は¥236,376,643。妹の谷明美、谷里美もプロになっており谷三姉妹として有名です。
大場美智恵&中田美枝
1994年プロテスト合格で66期生の大場美智恵がJLPGAツアー通算4勝で生涯獲得金額は¥386,147,946。
2000年プロテスト合格の72期生中田美枝がJLPGAツアー2勝で生涯獲得金額¥240,825,946を稼いでいます。
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