合格率が低いと評判のJLPGAプロテスト。2022年の女子プロテストは約650名が受験して、合格者はきっちり20名と約3%の合格率でした。その20名は2023年1月1日付でJLPGAの95期生となっています。
プロテスト合格時は1位通過者に最終QTからの出場が認められるだけで、残りの19名は同じ条件でスタートしました。2023年シーズンも前半戦を終えて1回目のリランキングも実施された今、20名はそれぞれどんなポジションで戦っているのでしょう。95期生20名の現在地を確認してみました。
2022年QTの結果は?
プロテストに合格した選手のルーキーイヤーは、ステップ・アップ・ツアーへの出場権は与えられていますが、JLPGAツアーに出るためにはQTを上位で通過するしかありません。主催者推薦の道はあるものの、予選会が無い大会ではかなりのコネが必要。名前の知られていない新人ではほとんど期待できません。
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QTランキング上位選手はJLPGAツアーが主戦場
QTで40位前後に入っていれば、前半戦JLPGAツアーのかなり多くの試合に出場できます。33位の平岡瑠依が全16試合に出場。40位の池ヶ谷瑠菜と44位の森彩乃が10試合の出場でした。
JLPGAツアーで大活躍 神谷 そら&平岡 瑠依(ひらおか るい)
その中でも、プロテストトップ合格でQTランキングも7位通過の神谷そらと、QTランキング33位通過の平岡瑠依はJLPGAツアーの強豪の中で互角以上に戦っています。
神谷 そら QTランキング7位 初優勝でシード扱い
神谷そらは2003年4月うまれ岐阜県土岐市出身。プロテストトップ合格者です。特典によりQTにはファイナルよりの出場で7位に入り前半戦の出場権をつかみました。
2023年は初戦から出場するも予選落ちと通過を繰り返す展開から迎えた第8戦「41st フジサンケイレディスクラシック」では初日を首位と1打差3アンダー3位タイでスタートして2日目には6アンダーで単独トップに躍り出ると、最終日はそのまま逃げ切って初優勝に輝きました。
この優勝で今季の出場権と来季のシード権を獲得しています。
平岡 瑠依(ひらおか るい)QTランキング33位 リランキング8位
平岡瑠依は2000年1月生まれ大阪府堺市出身。プロテストを4位タイで合格してQTを33位で通過、前半戦は16試合に出場できました。予選落ちは5試合と少なく、「Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」の3位タイ始めトップテンには3試合で入っています。
リランキング時点のメルセデスランキングは251.48ptで35位とシード圏内。平均ストロークも72.3559で42位につけており、このままシーズンを乗り切るとルーキーイヤーでシード権獲得となりそうですね。
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リランキングを通過! シード権まであと少しの荒川 怜郁(あらかわ れいか)鶴瀬 華月(つるせ かげつ)
荒川 怜郁(あらかわ れいか) QTランキング4位 リランキングは18位で通過
荒川怜郁は2001年6月生まれ沖縄県うるま市出身。現在中部学院大学在学中の学生女子プロです。プロテストは16位タイでの合格でしたが、QTは4位で通過して前半戦全試合の出場権をつかみました。
2023年シーズンは初戦から出場、予選落ちもありましたが第8戦「41st フジサンケイレディスクラシック」で2位タイに入りリランキング通過を確定させています。
しかし第10戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」出場後、練習中に親指を骨折したようで、以降の試合には出場できていません。それでもリランキングは18位で通過、中盤戦の出場権は安泰です。
鶴瀬 華月(つるせ かげつ) QTランキング13位 リランキング16位
鶴瀬華月は2002年10月生まれ神奈川県横浜市出身。プロテストに2位タイで合格すると、QTも13位と上位で通過。2023年前半戦は16試合中予選落ちと棄権が9試合あるもののトップテン入りも2試合ありリランキング16位と中盤戦の出場権を確保しました。
来季シード権を決めるメルセデスランキングも55位とあと一息で圏内です。
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リランキングで順位降下 池ヶ谷 瑠菜(いけがや るな)森 彩乃(もり あやの)
QTランキングはまずまずの位置でJLPGAツアーを主戦場とするも、残念ながら順位を落とした選手です。
池ヶ谷 瑠菜(いけがや るな)QTランキング40位 リランキング59位
池ヶ谷瑠菜は2003年7月生まれ三重県四日市市出身。プロテストは16位タイの合格からQTを40位で通過、前半戦は16試合中12試合に出場できました。予選落ちが9回と多く、決勝進出試合も平凡な成績に終わりリランキングは59位に後退、中盤戦の出場は限定的です。
リランキング後初戦高額賞金の「アース・モンダミンカップ」には出場できましたが、予選落ちに終わりました。
森 彩乃(もり あやの)QTランキング44位 リランキング92位
森彩乃は2000年11月生まれ神奈川県出身。QTランキング44位と微妙な順位から10試合に出場しましたが、全ての試合で予選落ちに終わりポイントの獲得はできませんでした。リランキング92位に後退しています。
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QTランキング50位以下はステップ・アップ・ツアーが主戦場
QTランキング50位以下になるとJLPGAツアーへの出場も少なくなり、主戦場はステップ・アップ・ツアーになります。前半戦の実績では、QTランキング44位の森彩乃がJLPGAツアー10試合の出場に対して、50位の沖せいらは3試合でした。
ステップ・アップ・ツアー上位の選手
ステップアップツアーの成績はメルセデスランキングに加えられないため、リランキングの助けにはなりません。目標はステップ・アップ・ツアーの賞金ランキングです。ここで2位までに入っておけば、来季JLPGAツアー前半戦の出場権が与えられます。
大須賀 望(おおすが のぞみ)リランキング151位 ステップ賞金ランキング8位
大須賀望は2002年2月生まれ宮城県黒川郡の出身です。プロテスト10位タイで合格するもQTでは137位と上位進出はなりませんでした。2023年シーズンはJLPGAツアーへの出場は無く、ステップ・アップ・ツアーに専念しています。
ステップ・アップ・ツアーでは前半戦9試合の出場で予選落ちは無し。6月12日が最終日の「ルートインカップ 上田丸子グランヴィリオレディース」では、4打差を追いついてプレーオフまで持ち込みましたが、残念ながら優勝はできませんでした。
それでもこの試合の2位含めトップ5には3回入っていて、賞金ランキングは8位につけています。来季前半戦の出場権が与えられる2位とは約200万円しか離れてなく、可能性は十分。残りの試合に注目です。
ウー チャイェン リランキング69位 ステップ賞金ランキング1位
ウー チャイェンは2004年3月生まれ台湾新竹市出身。プロテストは13位タイで通過しましたが、QTでは127位と出遅れました。2023年はステップ・アップ・ツアーを主戦場として9試合に出場、予選落ちなしで「ユピテル・静岡新聞 SBS レディース」では念願の日本初優勝に輝き、賞金ランキングトップを独走中です。
リランキング後の「アース・モンダミンカップ」では10位タイに入る健闘を見せて暫定ランキング39位につけています。この後も出場人数の多い試合が続くため、順位が降りてくれば次回リランキングで上位に入れそうですね。
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次回リランキングで頑張りたい選手
JLPGAツアーへの出場数も少なく、リランキングで上位には入れなかった選手です。次回リランキングかステップ・アップ・ツアーでの賞金ランキング上位を目指して頑張ってほしいですね。
選手名 | QTランキング | 出場試合数 | リランキング |
奥山 純菜(おくやま じゅんな) | 58 | 3 | 60 |
皆吉 愛寿香(みなよし あすか) | 62 | 2 | 98 |
千葉 華(ちば はな) | 70 | 1 | 90 |
小林 光希(こばやし みつき) | 73 | – | 105 |
P.サイパン | 78 | 2 | 81 |
パク ジヘ | 83 | – | 110 |
髙橋 しずく | 91 | 3 | 115 |
小暮 千広(こぐれ ちひろ) | 93 | – | 117 |
藤井 美羽(ふじい みう) | 99 | 1 | 122 |
高野 あかり | 116 | – | 136 |
ジョン ジユ | 217 | – | 224 |
仲村 果乃(なかむら かの) | 310 | – | 317 |