東北の女子ゴルフと聞けば宮里藍や有村智恵を輩出したゴルフ強豪東北高等学校を思い浮かべます。しかし宮里藍は沖縄県出身で有村智恵は熊本県出身と東北の出身ではありません。では、東北出身の女子プロって誰がいるのか気になりますね。
実は、東北出身の女子プロゴルファーは東北6県を合わせてもそれほど多くはないのですが、現役にはシード選手の名前も見えます。レジェンドには思いもかけないビッグネームもいますよ。東北出身の女子プロゴルファーを現役選手とレジェンド別に紹介します。
現役女子プロゴルファー 現役若手は福島県が最多!続いて宮城
東北6県中、青森、秋田、岩手の3県には今季QTによる優先順位を持った選手は居ません。レジェンドツアーへの出場はありますが、レギュラーツアーやステップ・アップ・ツアーへの出場はないのが現状です。
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福島県の注目現役は蛭田みな美と岸部桃子
福島県は東北におけるゴルフ王国です。プロゴルファーの人数も多く現役も少なくありません。注目はシード選手蛭田みな美とレギュラーツアー常連岸部桃子です。
シード選手!蛭田みな美
アマチュアで大活躍
1997年7月生まれ、福島県東白川郡の出身。黄金世代の1学年上になりますが、アマチュア時代は大活躍。様々な競技大会で優勝を飾っています。
2014年優勝
・IJGAスプリングジュニアゴルフチャンピオンシップ
・PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表決定大会
・日本女子アマチュアゴルフ選手権競技
2015年(高校3年)優勝
・日本ジュニアゴルフ選手権競技 女子15歳~17歳の部
2位稲見萌寧に7打差をつけるぶっちぎりの優勝。3位に勝みなみ、5位新垣比菜、6位に大里桃子、畑岡 奈紗、同学年の永井花奈は9位でした。
アマチュア時代の勢いのままに、2016年のプロテストを一発で合格すると、その年のQTを23位で通過して順調なスタートを切ります。しかし2017年は34試合の出場で賞金ランク70位とシードに届きませんでした。
平均ストロークが大幅に改善して2023年初優勝
以降2019年と2020-21年シーズンの58位が最高位でシードには届いていません。それでも平均ストロークは確実に良くなり、2017年73.4655→2022年72.5581まで改善されました。
そしてQTランキング29位で臨んだ2023年シーズンはリランキングを7位で通過。8月に開催された「CAT Ladies2023」で見事JLPGAツアー初優勝に輝きました。2023年シーズン終了時点の平均ストロークは71.0914で19位といつ2勝目を挙げてもおかしくありません。
レギュラーツアー常連岸部桃子
1993年12月生まれ福島県いわき市出身。高等学校2年生の2011年東日本大震災で被災していますが、2012年のプロテストでは一発合格を果たしました。しかしその年のQTではサードステージに進めず216位と敗退。2013年シーズンはステップ・アップ・ツアーが主戦場となりました。
長かったQT生活から2022年シード権獲得
以降2019年まではステップ・アップ・ツアーが主戦場になります。QTランキング77位で臨んだ2020年シーズンは、コロナ禍による変則日程でシーズンも2020-21年と統合されました。そんななか、前半戦に5試合の出場から70位で1stリランキングを通過、2ndリランキングは50位で通過して18試合に出場します。メルセデスランキングは107位に終わりましたが、自信にはなったはずです。
そして迎えた2022年シーズンはQTランキング22位で参戦。序盤から好調で1stリランキングを5位、2ndリランキングを7位で通過して32試合に出場、優勝こそ有りませんでしたがメルセデスランキング39位に入りシード権を獲得しました。
上田桃子、大里桃子、岸部桃子のトリプル桃子が人気
2022年4月に開催された「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」では、2日目を終わって2位に大里桃子3位タイに上田桃子と岸部桃子が並び、トリプル桃子と話題になりました。
シード選手として迎えた2023年シーズンは8月の「ニトリレディスゴルフトーナメント」までに24試合の出場で予選落ちが12試合と苦しい展開。結局最後まで立て直しはかなわず、メルセデスランキング89位でシード権を落としました。
2024年シーズンはQTランキング9位からの参戦で再シード獲得を目指します。
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シード復活を目指す酒井美紀や武尾咲希、高橋美保子に若手では髙久みなみ
酒井美紀
酒井美紀は1991年5月生まれ福島県いわき市出身。レギュラーツアー2勝の実力者です。2012年~2020-21年までの9シーズンで8度のシード権を獲得してきましたが2022年に喪失。2024年シーズンはQTランキング39位で参戦予定です。
武尾咲希
武尾咲希は1994年10月生まれ福島県会津若松市出身。優勝経歴は有りませんが、2017年シーズンに賞金ランキング28位でシード権を獲得しています。2024年シーズンはQTランキング113位で参戦予定。
高橋美保子
高橋美保子は1977年11月生まれ福島県出身。レギュラーツアー優勝3回、シード権は2002年~2007年の6シーズンで5シーズン獲得しています。2024年シーズンはQTランキング218位で参戦予定。レジェンドツアーにも参戦中です。
髙久みなみ
髙久みなみは2000年12月生まれ、福島県西白河郡出身。2021年3回目のプロテストで2位合格を果たし2022年からツアーに参戦しています。2024年はQTランキング69位での参戦となります。
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宮城県の期待は山路晶と大須賀望に新加入木村 怜衣
2023年度プロテスト合格 木村 怜衣(きむら れい)
木村怜衣は1999年10月生まれ宮城県仙台市生まれ。地元東北高等学校を卒業して5年、プロテスト合格を果たしました。2024年シーズンのQTランキングは120位。ステップ・アップ・ツアーが主戦場に経験を積みたいところです。
2023年アメリカツアーの「Q-SCHOOL」に挑戦!山路晶
黄金世代
山路晶は1998年9月生まれ宮城県仙台市出身。いわゆる黄金世代の一人です。地元東北高等学校を卒業して2019年度のプロテストに3回目の挑戦で合格しています。
ツアー参戦は2019年シーズンより。高校卒業後2017年のQTは1stステージで不合格でしたが、2018年のQTは最終まで進んで34位で通過。2019年シーズンは単年登録で35試合に出場して賞金ランキングは73位でした。
プロテスト合格即シード権獲得
プロテストに合格した年の2019年はQTでファイナルまで進めず107位で2020-21年シーズに参戦します。それでも、1stリランキングを23位で通過すると2ndリランキングも24位で通過。結局38試合に出場してメルセデスランキングは47位、シード権を獲得しました。
シード権喪失と「Q-SCHOOL」への挑戦
シード選手として臨んだ2022年シーズンは34試合に出場しましたが、予選落ちが多くトップテンは無し。メルセデスランキング110位に低迷して、シード権を手放すことに。2023年シーズンはQTランキング47位からの参戦でしたがメルセデスランキング124位シード復活はなりませんでした。
そんななか、USLPGAの2023年度「Q-SCHOOL」に挑戦。8月28~31日に開催されたStage1を突破して、10月17~20日のStage2へと駒を進めました。最終Q-SCHOOLへの進出はなりませんでしたが、大きな自信にはなったはずです。
2024年シーズンはQTランキング32位からの参戦。ほぼ前半戦には出られる位置でシード奪還を目指します。
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前半戦出場資格大須賀望
大須賀望は2002年2月生まれ宮城県黒川郡の出身。地元東北高等学校を卒業して2022年度プロテストに合格を果たし、2023年シーズンはステップ・アップ・ツアーで2位に入る大活躍。2024年前半戦の出場権を獲得しました。
2023年ステップ・アップ・ツアー賞金ランキング2位
2023年ステップ・アップ・ツアーでは8月末の「山陰ご縁むす美レディース」までに12試合に出場。優勝こそありませんがプレーオフも経験して、賞金ランキングは7位の好位置を確保。後半戦は「サロンパスレディス」「静ヒルズレディース」で連続優勝を飾り賞金ランキング2位に食い込みました。
18H最小パット数記録保持者 佐藤のぞみ
1ラウンドパット数最少記録19回
佐藤のぞみは1987年10月生まれ宮城県仙台市出身。やはり東北高等学校の卒業生で、2008年プロテストに合格しています。
2009年の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」の初日、OUT10パットIN9パットのラウンド19パットは、18H最小パット数として記録に残っています。内訳は8番と13番が2パット、18番がチップインで残りのホールは全て1パットでした。ちなみに、2日目は35パット、最終日は28パットとそうそう甘くはありませんでした。(他に村口 史子、飯島 茜が19パットを記録)
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山形県の現役女子プロ
山形県では3名がQTランキングを獲得していますが、常時トーナメントに参戦とはいかないようです。
QTランカーは大和笑莉奈、和田委世子の2名
女子プロゴルファーズ連盟設立!大和笑莉奈
大和笑莉奈は1990年2月生まれ山形県山形市出身。東北高等学校の卒業生です。プロテストは2009年の合格、2014年には賞金ランキング67位になっていますがシード入りは果たせませんでした。2024年シーズンはQTランキング232位で参戦予定です。
2021年LPGA女子プロが集いゴルフの楽しさを伝える団体「女子プロゴルファーズ連盟」を設立しました。
2003年ナショナルチーム 和田委世子
和田委世子は1985年8月生まれ山形県山形市出身。東北高等学校では宮里藍と同期、2003年にはナショナルチームに選ばれています。2006年のプロテストに合格、2007年には賞金ランキング66位になり期待を持たせましたが、この年のランクが最上位になりました。2024年シーズンはQTランキング289位で参戦予定です。
青森、秋田、岩手は現役のQTランカーなし
青森、秋田、岩手の3県には、現役のQTランカーは居ませんでした。
レジェンドにはビッグネームが多数
レジェンドにはビッグネームが名前を連ねています。
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福島県には岡田美智子と小林浩美
最年長優勝タイトルホルダー! 岡田美智子 プロゴルフ殿堂に顕彰
岡田美智子は1945年1月生まれ福島県いわき市の出身。1967年プロテスト合格の1期生です。813試合の出場でレギュラーツアー優勝10回の他にいろいろな記録を持っています。
・最年長優勝 50歳312日 1995年「大王製紙エリエール女子オープン」
・同一大会最多出場と最多連続出場回数 35回 1968~2002年「日本女子プロゴルフ選手権大会」
・同一大会連続予選通過 25年 1973~1997年までの「ミヤギテレビ杯女子オープン」
2019年度日本プロゴルフ殿堂に顕彰されました。
海外でも活躍! 日本女子プロゴルフ協会会長 小林浩美
小林浩美は1963年1月生まれ福島県いわき市出身。ご存知日本女子プロゴルフ協会会長です。1984年プロテストに合格して1986年にはシード権獲得。1989年には「日本女子オープン」を含む年間6勝を挙げて1990年にはUSLPGAツアーに進出しました。
そのUSLPGAツアーでは1990年の新人賞に輝くと、1993年の初優勝含め計5勝を挙げています。その後も日本ツアーでは4勝を挙げて計10勝に到達。2011年に日本女子プロゴルフ協会会長に就任しました。
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岩手県には佐々木マサ子と日蔭温子
アメリカツアー参戦の先駆け! 佐々木マサ子
佐々木マサ子は1944年2月生まれ岩手県紫波郡出身。1967年プロテスト合格の1期生です。国内では「日本女子オープン」含む計3勝を挙げていますが、それよりも樋口久子と一緒に日本人女子ゴルファーとして初めてアメリカツアーに参戦した方が有名ですね。
優勝18回の美人ゴルファー! 日蔭温子 プロゴルフ殿堂に顕彰
日蔭温子は1954年4月生まれ岩手県岩手郡出身。1974のプロテストに合格して1975年からツアーに参戦。1980年に「ヤクルトミルミルレディーストーナメント」で初優勝を挙げると1982年には「日本女子オープン」を制覇、1993年までに18回の優勝を飾りました。
1987年には賞金ランキング2位につけています。2002を最後にレギュラーツアーから身を引きましたが、実力を伴った美人女子プロとして人気がありました。2024年度プロゴルフ殿堂に顕彰されています。
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青森県には白戸由香
2023「全米シニア女子オープン」に出場! 白戸由香
白戸由香は1969年8月生まれ青森県南津軽郡出身。1993年のプロテストに合格して2000年にはシード権を獲得。2003年の賞金ランキング21位が最上位で、レギュラーツアーでの優勝はありません。
しかし45歳から出場できる「JLPGAレジェンズツアー」では2014年の「シブヤカップ」を皮切りに計6勝を挙げています。2023年は8月に開催された「全米シニア女子オープン」に出場、44位に入りました。