毎年の受験数約600名、合格者約20名と合格率約3%、難関中の難関として注目を集める女子プロゴルフテスト。プロゴルファーになるためのテストではなく、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)の会員になるためのテストです。会員にならなければ翌年のツアー出場優先順位が与えられるQTを受けられないとあって、プロゴルファーには死活問題。JLPGAツアー出場のためには合格必須なテストです。
2019年プロテスト規定の変更により受験可能年齢がそれまでの18歳より17歳に下がりました。これにより、高等学校を卒業して数か月後に受験していた流れが、高校在学中に受験可能になったのです。
今季2024年度プロテスト概要と、現役で難関を一発で突破した歴代現役高校生を紹介します。
- 2024年プロテストの実施方法や時期は?
- 1次予選
- 2次予選
- 最終プロテスト
- 最終プロテストシードのエリート選手とは
- 当該年度JGAナショナルチーム女子メンバーの者
- 当該年度7月の最終金曜日時点のロレックスランキング上位50位までの者
- 当該年度7月の最終金曜日時点の世界アマチュアゴルフランキング上位10位までの者
- 過去3年間及び当該年度の日本女子アマチュアゴルフ選手権の優勝者
- 過去3 年間及び当該年度の日本ジュニアゴルフ選手権競技【女子15歳~17歳の部】の優勝者
- 過去3年間及び当該年度の日本女子学生ゴルフ選手権の優勝者
- 過去3年間及び当該年度の日本女子オープンゴルフ選手権のローアマチュア
- 前年度の最終プロテストの第1日目の属する週の月曜日から、当該年度の最終プロテストの第1日目の属する週の前週日曜日までに本戦が開催されたステップ・アップ・ツアー各競技の優勝者
- 最終プロテストシードのエリート選手とは
- 過去のプロテスト一発合格現役高校生!
2024年プロテストの実施方法や時期は?
例年プロテストは1次予選・2次予選・最終プロテストの3ステージで行われます。
1次予選
1次予選は7月17日~8月9日まで順次6会場を使って3日間の予定で開催されます。出場資格は開催年度の4月1日時点で満17歳以上の女子(出生時)。ハンディキャップ5以下の者となっています。つまり高校3年生以上でゴルフが上手な女子ならだれでも受験可能です。
2024年シーズンは2007年4月1日以前に生まれた選手が該当します。
2次予選
1次予選を通過すると2次予選に進めます。日程は9月3~13日まで3会場を使った4日間大会。2次予選になると前年度最終プロテスト進出者やロレックスランキング400位以内にも受験資格が与えられ、フィールドのグレードがぐんと上がります。
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最終プロテスト
2次予選を通過すればいよいよ最終プロテストに進出です。日程は10月29日~11月1日までの4日間。ここからは2次までを免除されたエリートアマチュアの精鋭が登場して、さらにフィールドは難しくなります。最終プロテスト進出条件は次のとおり。
最終プロテストシードのエリート選手とは
当該年度JGAナショナルチーム女子メンバーの者
ナショナルチームとはJGA(日本ゴルフ協会)に選ばれたアマチュアのエリートチーム。JGAが国際試合に派遣する選手構成の母体となる人材で、毎年男女とも数名のアマチュア選手が選抜されます。
2024年度の女子ナショナルチームは以下の6選手が該当します。
11月1日最終プロテストが終了、6名中5名が受験して合格は1名のみ。結果は赤字のとおりでした。
飯島早織選手(いいじま さおり/2005年5月生まれ)
27位タイ(+5)
上田澪空選手(うえた みく/2005年6月生まれ)
未受験
小宮千鶴選手(こみや ちづる/2005年9月生まれ)
3日目カット(+17)
中村心選手(なかむら こころ/2005年10月生まれ)
7位タイ(-2)合格
橋本美月選手(はしもと みずき/2002年9月生まれ)
27位タイ(+5)
藤本愛菜選手(ふじもと あいな/2007年2月生まれ)
34位タイ(+6)
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当該年度7月の最終金曜日時点のロレックスランキング上位50位までの者
ここは海外のプロ向け枠。
当該年度7月の最終金曜日時点の世界アマチュアゴルフランキング上位10位までの者
該当者はありませんでした。
4月時点では荒木優奈(あらき ゆうな)選手が8位に入っていましたが、7月末時点のランキングは28位でした。
荒木優奈選手は2次予選から出場。4位タイ(-6)で見事合格です。
過去3年間及び当該年度の日本女子アマチュアゴルフ選手権の優勝者
2021年度尾関彩美悠(おぜき あみゆ)
2022年度寺岡沙弥香(てらおか さやか)選手
2023年飯島早織(いいじま さおり)選手
2024年鳥居さくら(とりい さくら)選手
34位タイ(+6)合格ならず
過去3年の日本女子アマチュアゴルフ選手権優勝者で合格者は尾関彩美悠1名のみです。寺岡沙弥香、飯島早織の両選手はすでに権利行使のため、今季再度優勝しないとこのカテゴリーでの資格はありません。
過去3 年間及び当該年度の日本ジュニアゴルフ選手権競技【女子15歳~17歳の部】の優勝者
※ただし、2024年度以降の当該競技の優勝者を対象とする。
2024年度 長澤愛羅(ながさわ あいら)選手 ルネサンス高校2年2007年11月生まれのため2024年は受験できません。
過去3年間及び当該年度の日本女子学生ゴルフ選手権の優勝者
2021年度 星川ひなの(ほしかわ ひなの)選手
2022年度 小暮千広(こぐれ ちひろ)
2023年度 坂下一葉(さかした いちよう)選手
2024年度 神谷桃歌(かみや ももか)選手
4位タイ(-6)で見事合格です。
このカテゴリーでも合格者は小暮千広1名のみ。星川ひなの、坂下一葉両選手も権利行使のためこのカテゴリーでの資格はありません。
過去3年間及び当該年度の日本女子オープンゴルフ選手権のローアマチュア
2021年度 竹田麗央1アンダー全体7位タイ
2022年度 馬場咲希5オーバー全体11位タイ
2023年度 中村心選手4アンダー全体14位タイ
2024年度 岩永杏奈(いわなが あんな)選手1アンダー全体16位タイ
竹田麗央と馬場咲希は既にプロテストに合格。中村心選手は2023年プロテストに不合格でした。
岩永杏奈選手は2009年1月生まれのため受験資格がありません。
前年度の最終プロテストの第1日目の属する週の月曜日から、当該年度の最終プロテストの第1日目の属する週の前週日曜日までに本戦が開催されたステップ・アップ・ツアー各競技の優勝者
2024年7月末時点で2名が対象者です。
都 玲華(みやこ れいか)選手「大王海運レディスオープン」4月25~27日 優勝
2位タイ(-8)で見事合格です。
チェン シュエン選手(台湾)「CTBCレディスオープン」5月9~11日 優勝
2ラウンド途中で棄権でした。
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過去のプロテスト一発合格現役高校生!
過去の現役高校生合格者とここまでの成績
これほど難しいプロゴルフテスト。いったいどんな選手が1度目の受験で合格するのか興味がありますね。過去一発合格を果たした現役高校生とここまでの成績を紹介します。
2024年現役高校生一発合格者
福田 萌維(ふくだ めい)11位(-1)2006年6月8日生まれ和歌山県日章学園高等学校
加藤 麗奈(かとう れいな)12位タイ(0)2007年3月5日生まれ大阪府ルネサンス大阪高等学校
2023年一発合格者
2023年プロテストでは5名の現役高校生が合格を果たしました。それも全員が5位タイ以上の好成績です。
2023年合格現役高校生 | ルーキーイヤー成績 | 今季 | JLPGA 優勝回数 | ||||
氏名 | ふりがな | 生年月 | 出身地 | QT | メルセデス ランキング | 2024年 出場条件 | 2023年 終了時点 |
清本 美波 | きよもと みなみ | 2005年8月 | 愛知県一宮市 | 100位 | ? | QT100位 | – |
馬場 咲希 | ばば さき | 2005年4月 | 東京都日野市 | – | ? | 注 | – |
村田 歩香 | むらた あゆか | 2005年10月 | 大阪府和泉市 | 164位 | ? | QT164位 | – |
菅 楓華 | すが ふうか | 2005年5月 | 宮崎県宮崎市 | 104位 | ? | QT104位 | – |
上久保 実咲 | かみくぼ みさき | 2005年10月 | 京都府宇治市 | 59位 | ? | QT59位 | – |
注)USLPGAのQスクール受験のためQTは受けていません。USLPGAへの参戦資格は逃がしましたが、下部ツアーEPSONツアー優先順位113位です。また、日本ツアーのルーキーシーズンはQTランキング関係なく、ステップアップツアーへの出場権があります。
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2022年一発合格者
2022年プロテストの現役合格は1名のみのさびしい結果になりました。
2022年合格現役高校生 | ルーキーイヤー成績 | 今季 | JLPGA 優勝回数 | ||||
氏名 | ふりがな | 生年月 | 出身地 | QT | メルセデス ランキング | 2024年 出場条件 | 2023年 終了時点 |
藤井 美羽 | ふじい みう | 2004年7月 | 愛知県名古屋市 | 99位 | 158位 | QT68位 | – |
2021年一発合格者
2019年以降最大の6名が合格。うち5名がシード選手です。
2021年合格現役高校生 | ルーキーイヤー成績 | 今季 | JLPGA 優勝回数 | ||||
氏名 | ふりがな | 生年月 | 出身地 | QT | メルセデス ランキング | 2024年 出場条件 | 2023年 終了時点 |
尾関 彩美悠 | おぜき あみゆ | 2003年6月 | 岡山県倉敷市 | 58位 | 42位 | シード | 1 |
佐藤 心結 | さとう みゆ | 2003年7月 | 神奈川県小田原市 | 11位 | 29位 | シード | – |
竹田 麗央 | たけだ りお | 2003年4月 | 熊本県合志市 | 133位 | 58位 | シード | – |
小林 夢果 | こばやし ゆめか | 2003年9月 | 埼玉県 | 131位 | – | QT8位 | – |
櫻井 心那 | さくらい ここな | 2004年2月 | 長崎県長崎市 | 117位 | 94位 | シード | 4 |
川﨑 春花 | かわさき はるか | 2003年5月 | 京都府京都市 | 62位 | 15位 | シード | 2 |
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2020年一発合格者
現役は5名が合格。3年目にして全員がシード選手になりました。岩井姉妹だけで7勝を挙げています。
2020年(2021年実施)合格現役高校生 | ルーキーイヤー成績 | 今季 | JLPGA 優勝回数 | ||||
氏名 | ふりがな | 生年月 | 出身地 | QT | メルセデス ランキング | 2024年 出場条件 | 2023年 終了時点 |
佐久間 朱莉 | さくま しゅり | 2002年12月 | 埼玉県川越市 | 14位 | 33位 | シード | – |
岩井 明愛 | いわい あきえ | 2002年7月 | 埼玉県 | 70位 | 40位 | シード | 3 |
内田 琴子 | うちだ ことこ | 2002年10月 | 北海道南幌町 | 26位 | 62位 | シード | – |
岩井 千怜 | いわい ちさと | 2002年7月 | 埼玉県 | 90位 | 18位 | シード | 4 |
桑木 志帆 | くわき しほ | 2003年1月 | 岡山県岡山市 | 13位 | 51位 | シード | – |
2019年一発合格者
規則変更で2世代同時に初受験となりました。この年の現役合格者は3名でしたが、既に19勝を挙げています。
2019年合格現役高校生 | ルーキーイヤー成績 | 今季 | JLPGA 優勝回数 | ||||
氏名 | ふりがな | 生年月 | 出身地 | QT | メルセデス ランキング | 2024年 出場条件 | 2023年 終了時点 |
山下 美夢有 | やました みゆう | 2001年8月 | 大阪府寝屋川市 | 13位 | 12位 | シード | 11 |
西郷 真央 | さいごう まお | 2001年10月 | 千葉県船橋市 | 10位 | 5位 | シード | 6 |
笹生 優花 | さそう ゆうか | 2001年6月 | 東京都 | 28位 | 6位 | USLPGA | 2 |
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